万能なりありがとう・・・「すいません」をやめて「ありがとう」と言おう

万能なり、「ありがとう」

今から20年くらい前、僕が33才の時「成功の心理学」(デニス ウェイトリー著・加藤 諦三訳)を読んでいたところ、その一節に「『すいません』をやめて『ありがとう』と言おう」というくだりがありました。「?」という感じでした。状況によると思ったのです。そこで、何通りかの状況設定を考え、一人で二役をして、「ありがとう」と言われたらどういう体験をするのか感じてみることにしました。一人ロールプレイです。やっていくうちに興奮してきました。なんとデニスが言うとおりなのです。全てのケースで「ありがとう」がうまくいくのです。感動しました。夜中、一人で叫び声をあげたほどです。

これから、あなたも一緒にケースごとに体験して見ましょう。次の表のように12ケースに分けて、受け答えのロールプレイをしていただくと気付きがあると思います。

誰かにBさん役をやってもらって二人でやった方がいいです。誰もいなければ一人でも出来ます。それぞれのケースでしっかりとAさんの立場に立って、どうゆう気持ちになるのか感じてみましょう。

(例)ケース1

職場の後輩に喜んでもらいたくて、お土産を渡した場合

Aさん:喜んでくれるのを期待しながら「これ、お土産です」

Bさん:「あ、すいませーん」

と言うような具合です。

設定や言葉は、より自然になるように変更して構いません。

Bさんの言葉を聞いたら、Aさんは自分の心に集中して自分の反応を感じてみてください。

この「12ケース」を今までたくさんの人に体験してもらいました。どんな感じ方をしたかをまとめてみました。数字はケースの番号です。

1 「あれ、せっかく買ってきたのに・・・」「余計なおせっかいだったかな」

2 「喜んでもらえてうれしい」

3 やっぱり、やめときゃよかった」「やっぱり、気を使わせたな」

4 「へぇー、こんなに喜んでもらえるんだ。買ってきてよかったな」

5 「僕がそう思ったのに!」と否定された感じ。もう褒めてあげたくなくなる。

6 「また褒めたくなる」「なかなかやるなと思う」

7 「言った人はほくそ笑み」「お互いに自然ではある」「言われた人はかわれていることも気づかない」

8 「ちょっとイラッ!とします。と同時に相手を大きく感じる」「からかった自分が惨め」つまり、嫌み撃退になっている

9 「悪いことをした感じ」「〈責めてはいないのに〉という感じ。次から注意しにくい。

10 「ほっとする」「注意してよかった」

11「〈謝ればいいと思っているの〉〈何で私が悪者っぽくなるの〉とさらにムカつくことになる」

12ムカついた感情がトーンダウンしてくる。言い過ぎたかなと感じる

あなたは、いかがでしたか。全てのケースで「ありがとう」が役に立ちそうではありませんでしたか。

褒められた時の「ありがとう」には他にも大事な考え方があります。

「そんなことないですよ」と言うとせっかくの褒め言葉を否定してしまっています。実は、自分の心はそのことをしっかりと聴いているので、心は、単純に「そうなんだ」と信じてしまうんです。つまり、「センスがいいですね」と言われ「そんなことないですよ」と答えると、自分はセンスがないと言い聞かせているようなもので、心は自分は「センスがない」と信じていきます。大事な自分のためにせっかくの褒め言葉を「ありがとう」と受け入れてあげたいものです。

さらに別の観点からですが、「そんなことないですよ」は自分を守ろうとしています。お世辞かもしれないので、迂闊(うかつ)に喜べないぞ」「喜んだら馬鹿みたいじゃないか」というような警戒です。しかし、必要はありません。ケース➇で書いたように、「ありがとう」は嫌み撃退になるうえに敬意も払われます。また、相手が本気で褒めてくれているとしたら「ありがとう」といった方がいいですよね。つまり、相手の心は邪推しなくていいのです。ただ素直に「ありがとう」と言えばいいわけです。いずれにしても時間を割いて、自分に係わってくれているのですから、そのことに感謝して「ありがとう」といいたいものです。

注意のケースも別の観点から見てみましょう。注意する時は「相手の為」と「非難」が混ざった状態になることが多いのではないでしょうか。「ありがとう」は「相手の為」に向けられ、「すいません」は「非難」に向けられています。実はどちらに焦点を当てるかによって当てられたほうの感情が引き出されるのです。だから、「非難する感情」があっても「注意していただいて、ありがとうございます」と言われると「相手の為」が引き出されて、怒りの感情がトーンダウンしていきます。「相手の為」と言う気持ちがあっても「すいません」と怯えられると「非難する感情」が引き出されて怒りが増すのです。つまり、「ありがとう」は相手の優しい子持ちに照準を合わせて放ち、それを引き出す魔法の言葉なのです。

僕の病院には時々「怒られやすいタイプ」の人がいましたが、そういう人は「何で自分だけ怒られるの」と思っていることが多いです。怒る側のせいにしています。自分が被害者です。違うんです。実はそういう人は怒りを引き出す名人なんです。「ありがたい」と思わないことが「怒り」を作り出しています。

今まで多くのスタッフを雇ってきましたが、注意された時の「ありがとうございます」の習慣を最初から備えている人はとても少ないです。ただ、入社してすぐにこの話をして、毎日「『ありがとう』がないよ」と注意していると2~3ヶ月もするとほとんどのスタッフが「ありがとう上手」になります。

ついでですが、強面(こわもて)の人に対して何もしてないのに怯えた感じで接するから、相手は憤り、威嚇(いかく)するんです。「俺がなんか悪いことしたか」って。

こんなケースも「ありがとう」が大事です。

「今日、お弁当頼みますか。」とか「明日、テニスしませんか。」とか聞かれたときに。「あ、いらない」とか「ダメだね」だけ答える人がいます。そこがダメなんです。だんだん声をかけたくなくなります。誘いたくなくなります。「声をかけてくれてありがとう」「誘ってくれて、ありがとう」「また、誘ってね」を付けるのです。

英語には便利は言葉があります。「No Thank You」です。一言で言い表しています。話の内容に対する応答と、相手が声をかけてくれた気持ちに対する応答を別々にすることが大事なのです。内容には「No」、気持ちに「Thank you」なのです。

「12ケース」の「ありがとう」も実は、相手の「買ってきてくれた気持ち(・・・)」「褒めてくれた気持ち(・・・)」「注意してくれた気持ち(・・・)」に対して「ありがとう」と言っているのです。内容に関しては、自分の意見をしっかりと言ってください。

例えば、「あ、注意してもらって、ありがとうございます。ただ、これは私ではありませんよ」とか「あなたとのデートはなしです。でも誘っていただいてありがとうございます」という具合です。

「ありがとう」を身に着けると間違いなくあなたの人生はより幸せなっていくと思います。僕の人生のように。

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